研究課題/領域番号 |
17K15824
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
疫学・予防医学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大嶋 康義 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90621657)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 内科 / 医療・福祉 / 臨床 / 予防医学 |
研究実績の概要 |
高二酸化炭素血症を伴う呼吸不全患者に対し、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)で換気補助を行うことで在宅で必要な医療が受けられ、患者の日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の向上を図ることができる。しかし、慢性期の導入ではほとんどの症例でNPPV離脱困難であり、大きな課題である。 2012年に抗ミトコンドリア抗体陽性の炎症性筋疾患という疾患概念が初めて報告され、重篤な呼吸筋障害によりNPPVを必要とするが、治療で改善する例が多いとされる。 申請者は適切な診断と治療により、NPPVの離脱が可能であり、予備研究にて慢性呼吸不全の原因として抗ミトコンドリア抗体が多くの症例で影響している可能性を報告した。 NPPVの離脱が可能な疾患である抗ミトコンドリア抗体陽性の炎症性筋疾患が慢性呼吸不全患者の中でどの程度いるのか明らかにするため、新潟大学医歯学総合病院、新潟県内の関連医療機関による多施設共同研究を実施した。すでにNPPVを使用して慢性呼吸不全患者や、将来NPPV導入が危惧される低換気による高二酸化炭素血症を71症例集積した。抗ミトコンドリア抗体陽性例を9.9%認めた。その一方で、対照群である高二酸化炭素血症を認めない呼吸器疾患患者351症例では抗ミトコンドリア抗体陽性例2.8%と有意差を認め、呼吸器領域において高二酸化炭素血症を有する症例については、抗ミトコンドリア抗体陽性の炎症性筋疾患を念頭に置く必要が示唆された。今回の成果は、第62回日本呼吸器学会学術講演会、第32回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会にて発表した。さらに詳細なデータ解析を行い、慢性呼吸不全と抗ミトコンドリア抗体の関係を明らかにすることで、NPPVの離脱・回避への貢献していく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NPPVの離脱が可能な疾患である抗ミトコンドリア抗体陽性の炎症性筋疾患が慢性呼吸不全患者の中でどの程度いるのか明らかにするため、新潟大学医歯学総合病院、、魚沼基幹病院、西新潟中央病院、新潟臨港病院、新潟市民病院、新潟医療センター、佐渡総合病院、長岡赤十字病院、立川綜合病院、長岡中央綜合病院、新潟県立中央病院、上越総合病院、あがの市民病院、済生会新潟病院、南部郷総合病院、新潟県立松代病院にて多施設共同研究を実施中である。高二酸化炭素血症症例71例、対照群として高二酸化炭素血症を認めない呼吸器症例351例についてもデータを収集し、症例の集積を終了した。現在、データ解析を実施中であり、COVID-19による計画の延長を実施したが、研究の進捗そのものは、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
NPPVの離脱が可能な疾患である抗ミトコンドリア抗体陽性の炎症性筋疾患が慢性呼吸不全患者の中でどの程度いるのか明らかにするため、新潟大学医歯学総合病院、新潟県内の関連医療機関である魚沼基幹病院、西新潟中央病院、新潟臨港病院、佐渡総合病院、あがの市民病院、済生会新潟第二病院、南部郷総合病院、新潟市民病院、新潟医療センター、長岡赤十字病院、立川綜合病院、長岡中央綜合病院、新潟県立中央病院、上越総合病院、新潟県立松代病院による多施設共同研究を平成29-令和4年度に実施した。今後は蓄積された症例のデータ解析を行い、その成果を社会に積極的に発信していく予定である。
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