研究課題/領域番号 |
17K15833
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
疫学・予防医学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
綾仁 信貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90777939)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 薬剤性有害事象 / 薬剤関連エラー / 高齢者介護施設 / 医療安全 / 医療・福祉 / 高齢者 / 介護施設 |
研究成果の概要 |
本研究は高齢者介護施設で確立された方法論(Morimoto, 2004)にて、全介護記録の網羅的レビューにより行われた。調査の結果、459人(3315人月)に対し、1207件の薬剤性有害事象(ADE)と600件の薬剤関連エラー(ME)が同定され(100人月あたり36.4件と18.1件)、ADEでは転倒が最も多く(40%)、ADEの原因薬剤では非定型抗精神病薬が最も多かった(16%)。重症度では「致命的」「生命を脅かす」「重篤」の順に0.8%,2.3%,12%の頻度で、MEは観察段階で最も多かった(72%)。ADEとMEの発生率は米国の発生率(Gurwitz, 2005)の約3~4倍であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の高齢者介護施設における薬剤性有害事象(ADE)および薬剤関連エラー(ME)を確立された方法論により初めて明らかにした。ADEおよびMEの発生率は、米国の長期介護施設における発生率の約3~4倍で、日本の一般病院における発生率とほぼ同じであり(Morimoto, 2011)、これは日本の介護施設における薬剤処方量の多さが関係している可能性がある。今回の調査結果から、介護者は入居者の転倒や排泄の問題に注意を払い、また投薬においては投薬後の観察段階に焦点を当てることで、薬剤使用に伴う問題の抑制につながる可能性を示したことで、今後の介護施設における安全な薬剤使用に寄与するという点で意義がある。
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