研究課題/領域番号 |
17K15838
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
疫学・予防医学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
野原 夢 久留米大学, 医学部, 助教 (10647811)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 動脈硬化 / コーヒー / 疫学 / 住民検診 / 認知症 / 疫学研究 |
研究成果の概要 |
大規模なメタ解析ではコーヒーの摂取と全死亡、心血管死亡には逆相関があることが報告されている。1999年に計1920名の一般住民を対象に食品摂取頻度調査を含めた住民検診を行い、2018年に追跡調査として頸動脈の内膜中膜複合体厚(IMT)の変化を頸動脈超音波検査により評価した。コーヒー摂取量は平均で164.6ml/日であった。約20年間追跡し343名の死亡があった。年齢、性別、総摂取カロリー量で補正した多変量解析では、コーヒーの摂取量は20年後の拡張期血圧、総コレステロール値、LDL-コレステロール値、頸動脈IMT変化量と負の関連を示した。コーヒーの摂取は頸動脈硬化を抑制する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果では、習慣的なコーヒーの摂取は統計学的に有意に拡張期血圧と血清の脂質レベルに負の関連を示した。さらにコーヒーの習慣的な摂取は、頸動脈のIMTの進展を予防する可能性が示唆された。高齢者における認知症は動脈硬化性疾患と強い関連がある。 日本の総人口の高齢化率は2025年には30%を超え、認知症を有する患者数は700万人を超えると推定され、動脈硬化疾患や認知症予防への対策は急務である。日本でも広く嗜好されるコーヒーが動脈硬化疾患に抑制的に関与する可能性があり、日常的なコーヒーの消費は動脈硬化の進展、さらには認知症に対して抑制的に作用する可能性が期待される。
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