研究課題
若手研究(B)
本研究では、まず、株式会社JMDCが保有する健康保険組合の健診データを利用し、加齢に伴う血圧推移パターンを明らかにした。男性の収縮期血圧は、36歳から66歳まで上昇したが、その後はほぼ横ばいの推移を示した。一方で、女性の収縮期血圧は、33歳一貫して上昇し、およそ70歳で男性の収縮期血圧レベルを超えた。拡張期血圧は、男性では56歳、女性では64歳でピークをとる逆U字型の推移を示した。大迫コホート研究の家庭血圧データでも同様の加齢に伴う血圧推移パターンが認められた。収縮期血圧日間変動は加齢とともに直線的に上昇し、拡張期血圧日間変動と年齢の関連は65~69歳を底としたU字型であった。
血圧や血圧日間変動は、脳心血管疾患や認知症の危険因子である。本研究で得られたエビデンスにより、国民全体や個人の将来の血圧・血圧日間変動の推移を予測できる。また、高血圧予防策を検討するうえでの基礎情報ともなり、未だに循環器疾患が主要な要介護要因および死因となっている日本人の健康寿命の延伸に貢献できると考えられる。さらに、JMDCデータを用いた検討と一般住民を対象としたコホート研究の結果の比較により、既存情報として活用が望まれている健康保険組合データの特徴と有用性が明らかとなり、今後の学術研究の発展にも寄与した。
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