研究課題/領域番号 |
17K15856
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
宮山 貴光 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20620397)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 銀ナノ粒子 / オートファジー / リソソーム / 肺がん細胞 / 初代培養細胞 / 肺気道上皮細胞 / 肺胞上皮細胞 / ヒト肺胞上皮細胞 / ヒト肺気道上皮細胞 / TFEB / pH / V-ATPase / LC3B-II / p62/SQSTM1 / ナノ材料 / 社会医学 / 環境分析 / 細胞・組織 / 薬学 |
研究成果の概要 |
銀ナノ粒子は、抗がん剤や抗病原微生物薬など医療応用への開発が最も期待されている金属ナノ粒子である。一方、細胞毒性も強いため、生体内挙動と毒性発現機構を明らかにする試みがなされている。A549細胞を用いて銀ナノ粒子を曝露したところ、リソソームに分布・蓄積し、内腔のpHを上昇させて機能破綻を引き起こした。ここでオートファジー・リソソーム系を評価したところ、p62/SQSTM1とLC3B-IIはいずれも上昇し、TFEBは減少した。銀ナノ粒子は、リソソームpH上昇とTFEBの減少を同時に引き起こして毒性に寄与するもののリソソームpH上昇による機能破綻が細胞毒性の主要なターゲットであると判断できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺を構成するあらゆる細胞種において、銀ナノ粒子の応答は共通に保存されていたことから、確かな学術的証明を得た。一方で、銀ナノ粒子の毒性はTFEBの遺伝子発現調節のみでは解決できない新しい学術的問いを見出すこととなった。このことは、銀ナノ粒子の科学的エビデンスに基づいた創薬開発が、より一層波及すると期待される。また、他の金属ナノ粒子の創薬開発にも応用できるので、将来的に抗がん剤や抗病原微生物薬などの治療を受ける患者が恩恵を受けるのみならず、開発製造に関わる研究者や技術者へのナノ粒子曝露に対する健康リスクを確保することにもつながり、衛生学分野において学術的なインパクトが期待される。
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