研究課題
若手研究(B)
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、慢性進行性の胆汁鬱滞性肝疾患であり、胆管上皮細胞に対する自己免疫反応の関与が示唆されている一方で、その発症・進展機序は未だ不明なままである。本研究では、疾患の罹りやすさに関連する遺伝子を網羅的に探索するゲノムワイド関連解析(GWAS)という遺伝統計学的手法を用いて、新規日本人PBC感受性遺伝子領域を同定した。さらに、SNPインピュテーション解析や機能解析などを駆使し、それぞれの遺伝子領域において、発症に直接寄与する機能的遺伝子多型(causal variant)の同定、および、causal variantに起因するPBC発症機序の解明に至った。
本研究によって、胆管に症状が出る自己免疫疾患である原発性胆汁性胆管炎(PBC)の発症に寄与する遺伝要因の同定、および、そこから発症に至るまでのメカニズムが、それぞれ明らかにされた。本研究を手掛かりに、マウスなどを用いた個体レベルでの研究に加え、遺伝情報を元にした創薬や、「発症予測キット・副作用予測キット」の開発を目指した臨床研究への発展、さらには、予防および治療の双方向からのアプローチによるPBCの制圧が期待される。
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