研究課題
若手研究(B)
ヒトiPS細胞から樹立した肝細胞培養系を用いた実験および、患者さんに同意を得て取得した肝生検・血液検体、臨床データの解析により、慢性ウイルス肝炎におけるインターフェロン・ラムダ(IFNλ)の機能について調べた。IFNλ発現は遺伝子多型に規定され、かつIFNλ発現により抗ウイルス作用や自然免疫関連分子の働きが異なること、また、抗ウイルス治療を行っている状態でもIFNλ3の発現が高い患者では発癌リスクが高いことが示された。また、サブ解析によりウイルス複製が抑制された状態におけるB型肝炎からの発癌には糖尿病が関与する可能性も示された。
今回、新規抗HBV治療薬の開発に直結する成果は得られなかったが、IFNλの機能には未だ不明点が多い中で、ウイルスが駆除された状況でもIFNλ3が誘導され、かつその後の発癌とも関連するという新たな知見は、今後問題となり続ける抗ウイルス治療後発癌に対する治療戦略における新たなターゲットを見出せた点で有意義である。また、IFNλ3の抗HBV作用について臨床データを用いた再検証を行う中で、現在急増している糖尿病がHBV肝癌に関わることを示したことは、癌健診の啓蒙などの社会的意義も大きい。
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