研究課題/領域番号 |
17K15935
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
林 杏子 (大岡) 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 研究員 (50569019)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腸管免疫 / 炎症性腸疾患 / アレルギー / 芳香族炭化水素受容体 / 免疫学 |
研究成果の概要 |
5-アミノサリチル酸 (5-ASA) は、炎症性腸疾患 (IBD) の基本薬剤として幅広く使用されている。しかしながら、5-ASAのIBDを寛解させるメカニズムは未だ曖昧な部分が多く、本研究では、これまでに着目されていない方向から解析を行った。 マウスに5-ASAを経口投与する事で、大腸粘膜固有層のTreg細胞が顕著に増加した。 5-ASAが、大腸の造血系細胞のAhR (Aryl hydrocarbon receptor) 経路を活性化し、活性型TGF-βを増加するためである事を示した。また、大腸粘膜固有層のTreg細胞が増加する事で、DSS腸炎、食物アレルギーの病態が減弱する事を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、既にIBDの治療薬として広く使われている5-ASAの薬理について新たな視点を提唱した。 今回、5-ASAがAhRの活性化を介して大腸粘膜固有層のTreg細胞の割合を増加させIBDを抑制している事を示した事で、IBDにおけるTreg細胞の抑制的役割がよりクローズアップされ、バイオマーカーや治療薬の新規開発への助け(Treg数のフォローやAhR活性化薬など)になる事が期待される。また、今後、大腸粘膜固有層のTreg細胞を増加させることで、5-ASAがIBDだけでなく、アレルギーの治療薬としても使えるdrug repositiongの可能性も期待される。
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