研究課題
若手研究(B)
膵癌患者の血清中抗RPL抗体をELISA法で測定した。結果、抗体価が高値と低値の患者で生存期間に差異はなく、治療別(手術、化学療法)でも同様の結果であった。今回の検討では、抗RPL抗体が膵癌予後に関与している可能性は低いと考える。追加の検討でPD-1について着目し、膵癌において薬剤投与の目安となるコンパニオン診断法を検討した。膵癌患者のFNA検体と切除検体のPD-L1染色を行い一致率を検討した結果、PD-L1陽性率は全体で10%(11/94)、陽性一致率は55%(6/11)、陰性一致率は99%(82/83)であった。FNA検体を用いた抗体治療薬のコンパニオン診断ができる可能性がある。
RPL29に対する抗体を血中に有する膵臓癌の予後が良いという過去の報告や、RPL抗原が癌や血管内皮細胞増殖に関与している既報事実はあるものの、本研究では抗RPL抗体価の違いによる生存期間の差異はなかった。治療法別にも検討をしたが、同様に生存には寄与しなかった。PD-L1染色の検討では、超音内視鏡で採取した検体と切除検体では、感度が約50%と低いものの、正診率は9割を超えており、今後、抗PD-L1抗体を投与する際のコンパニオン診断として有用になる可能性がある。治療効果が見込める患者への適切な投与により、治療効果の増大や、医療費の削減にもつながる可能性がある
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J Gastroenterol.
巻: Apr 29 号: 11 ページ: 1019-1028
10.1007/s00535-019-01586-6
120006839238