研究課題
若手研究(B)
内視鏡的に採取された大腸腫瘍を対象として、多発大腸がん症例の腫瘍部、背景正常粘膜の全エクソンシークエンス、全トランスクリプトーム解析を施行した。全エクソンシークエンス解析から、多発大腸がん症例のがん部、背景正常大腸粘膜に共通する変異として、遺伝子Aを同定した。同定した遺伝子Aの一塩基多型をパイロシークエンサーを用いて検討したところ表面型腫瘍および多発大腸がんと極めて高い相関を示すことを見いだした。また、全トランスクリプトーム解析から、遺伝子Aの遺伝子型によって正常大腸粘膜で発現が異なる遺伝子272個を抽出し、Gene Ontology解析で免疫システム・免疫応答と高い相関を示すことが判明した。
表面型大腸腫瘍は一般的なadenoma-carcinomaシークエンスとは異なる分子進化を辿る可能性が指摘されているが、その詳細は明らかではない。SNPデータベースから、表面型腫瘍および多発大腸がんと相関する遺伝子Aの遺伝子型はアジア人に特有であり、欧米人には稀とされている。本研究の成果は日本人の多発表面型ポリポーシスの分子基盤解明に影響を及ぼすと考えられ、我が国のがん医療にフィードバックしうると考える。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
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