研究課題
若手研究(B)
成人において、心筋細胞は壊死しても再生することはないと思われてきたが、わずかながらに分裂し続けることが近年、明らかとなった。本研究では増殖を司るHippo経路の転写因子TEADsの転写活性を指標に、心筋細胞増殖と心筋再生を促進する薬剤の創出を試みた。約18,600種類の機能未知化合物ライブラリーから有効な化合物を選択し、さらに改変することで、マウス心筋梗塞モデルにおいて心臓線維化の軽減と心機能改善に有効な化合物を創出した。この化合物はヒトiPS細胞由来心筋細胞でも増殖効果を示しているため、今後の臨床応用が期待される。
社会の高齢化に伴い、虚血性心疾患・慢性心不全を患う患者数が増加している。既存の虚血性心疾患・慢性心不全に対する治療に、本研究のような「内因性の心筋再生の増幅」を用いた治療を併用することで、これまで以上の治療効果を期待できる。また、化合物による治療は、患者への侵襲・安全性や費用対効果などの点からも有効といえる。本研究の成果は、心疾患による死亡を減らし得るため社会に与える貢献も極めて大きいと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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