研究課題
若手研究(B)
心臓移植術を受けた症例を対象とし光干渉断層計を用い移植後早期より経時的に冠動脈の観察を行い、De novoプラークの発症とドナー由来プラークの進展を評価し、また炎症性サイトカインとの関連についても検証した。移植後12ヶ月以内では、De novoプラークはドナー由来プラークと比較し増大率は大きく、その形態は繊維性プラークが主体であり、マクロファージの集簇は乏しかった。さらに血清インターロイキン31とDe novoプラーク発症に関連を認めた。一方で、その他の炎症性サイトカインであるインターロイキン1βやインターロイキン6、インターロイキン17、TNF-αなどとは関連を認めなかった。
移植心冠動脈病変は心臓移植後の慢性期において主要な死亡原因の1つである。移植心冠動脈病変の発症/進展/退縮の機序を明らかにするためには、ドナー由来プラークと移植後に新たに発生したDe novoプラークに分別し考える必要がある。本研究では移植後早期(8週時点)に光干渉断層計での観察を行うことによりこれらを分別し経時的に観察することで、移植後早期における血清インターロイキン31濃度の上昇がDe novo プラーク発症と関連することを見出した。今後インターロイキン31を標的とした移植心冠動脈病変の治療法開発が期待される。
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