研究課題
若手研究(B)
心不全患者のサルコペニア発症および進行を防ぐため、運動療法に加えて十分なたんぱく質を含む栄養素の摂取が重要だが、慢性腎臓病(CKD)を合併する患者の一部はたんぱく制限が必要である。そのため、たんぱく質摂取量が不足し、サルコペニアの発症あるいは進行のリスクが高くなる。ロイシン強化型アミノ酸含有ゼリーは、通常の食事によるたんぱく質摂取量よりも少量で骨格筋量の増加や筋力の改善が得られ、サルコペニアの予防や改善に効果がある。心臓リハビリテーションを行ったCKD合併の心不全入院患者に対し、食事摂取に加えて、ロイシン強化型アミノ酸含有ゼリー摂取は腎機能障害の進行を来すことなく、安全に摂取可能であった。
CKDを合併した心不全では、腎機能障害の進行リスクを増加させず、サルコペニアに対する効果的な食事療法として、至適たんぱく質摂取量が不明であった。たんぱく質制限を要するCKD患者に対して、ロイシン強化型アミノ酸含有ゼリーは筋蛋白の合成に必要なアミノ酸を効率的に少量で摂取することができ、たんぱく質過剰摂取による腎機能障害の進行を防ぐことが可能であった。CKDを合併した心不全患者に対して、ロイシン強化型アミノ酸含有ゼリーの付加は、CKDの悪化やサルコペニアによる生命予後やADL、医療費、介護負担などに与える影響を改善することにつながる可能がある。
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