研究課題/領域番号 |
17K16049
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山口 博之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (30773022)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 胸腺上皮性腫瘍 / 次世代シークエンサー / 分子標的 / 次世代シークエンス / 遺伝子変異 / 個別化治療 |
研究成果の概要 |
胸腺上皮性腫瘍(TETs)の遺伝学的背景は未解明で分子標的治療は確立していない。本研究はTETsの遺伝学的異常を解明し、潜在的な治療標的を探索するために計画された。手術検体の新鮮凍結組織を用いて次世代シークエンス(NGS)によりDNA解析を行い、検出された遺伝子異常はサンガー法、デジタルPCR、TAクローニングにより確認した。31名のTETs切除例でNGS解析を実施した。RAS変異3例、GTF2I変異12例、少数例に遺伝子異常を認めた。TETSの遺伝子異常は低頻度であり、治療標的分子を増やすためには全ゲノム解析の実施やRAS阻害剤など標的治療自体の進歩が必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの悪性腫瘍ではゲノム解析に基づく個別化治療や免疫チェックポイント阻害剤により、予後の改善が見込まれている。しかし、TETsはその稀少性もあって、大規模臨床試験に基づく治療の確立が遅れており、また、胸腺が元来免疫構築臓器であることから免疫療法の導入にもハードルがあるのが現状である。また、国内での診療施設も限られているため、治療を実施可能な施設で解析を進めることが重要である。今回の解析で低頻度ながらTETsの遺伝学的背景の一端を解明することができた。今後はさらに解析する遺伝学的背景を拡大し、また、検出された遺伝子異常を標的とした治療の臨床応用が期待される。
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