研究課題/領域番号 |
17K16061
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小林 慧悟 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30792957)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高濃度酸素 / HIF-1α / AMPK / 肺癌 |
研究実績の概要 |
72人の肺癌患者から癌部と非癌部に分けて、組織マイクロアレイを作成し、HIF-1αの陽性率を調べた。その結果、癌部は非癌部に比較してHIF-1αの陽性率が高く、低酸素環境にあることが判明した。次に、癌と非癌の細胞株を用いて、20%酸素濃度と50%酸素濃度下における細胞生存率を測定した。その結果、50%高濃度酸素下では癌細胞の増殖は抑制されたが、正常細胞の増殖抑制は生じなかった。 上記現象の機序を解明するために、H1975とSK-MES-1のcDNAマイクロアレイを行い、pathway解析を行った。その結果、50%高濃度酸素はAMPK pathwayの活性化を通じて細胞増殖を抑制すると考えられた。このことは、各細胞株でwestern blotting及びsiRNAでAMPKをknockdownした時点でのMTS assayでも証明された。 以上の結果をin vivoでも確認するため、FGF9過剰発現の肺癌マウスモデルを48時間高濃度酸素下におき、組織の免疫染色を行った。その結果、高濃度酸素により低濃度酸素環境が改善された結果、AMPKが活性化され、癌増殖抑制につながることが判明した。 また、上記細胞株において、抗癌剤(ABT-263)に高濃度酸素を併用したところ、細胞増殖抑制の効果が高められることも判明した。 以上から、高濃度酸素と抗癌剤の併用により肺癌の増殖を抑制できると考えられた。しかし、HIF-1αとAMPKの活性化の直接的な関連に関しては本研究では解明できておらず、今後さらなる検討が必要である。
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