研究課題
若手研究(B)
肺MAC症は、患者数の増加が著しい慢性呼吸器疾患であるが、発症機序は解明されていない。申請者らは、肺MAC症患者のケース・コントロール関連解析および再現解析を実施し、患者集団では健常者と比較して肺組織におけるA遺伝子の発現量が低下している可能性を見出した。培養細胞株にMAC菌を感染させて時間経過に伴うA遺伝子の発現量を調べたところ、感染後5時間で発現上昇が見られた。さらに、A遺伝子をノックダウンした細胞株を作成してMAC菌を感染させたところ、感染後3日で細胞内菌数が野生型と比較して増加していた。これらの結果から、A遺伝子の発現がMAC感染時における細胞内殺菌に必要であることが示唆された。
肺MAC 症患者の急増により、その病態機構の解明と新たな診断方法および治療方法の開発が望まれている。我々の研究により、肺MAC 症の発症と有意に関連する因子が見出され、本研究によりその再現性が確認された。さらに、培養細胞株を使用して、A遺伝子の発現がMAC感染における細胞内殺菌に必要であることを示唆する結果が得られた。将来的に、A 遺伝子が関与するMAC感染・発症防御機構を明らかにすることができれば、得られた知見に基づいた新規治療薬の開発、肺MAC 症のリスク診断やオーダーメイド治療といった新しい診断・治療法開発につながることも十分に期待でき、国民の公衆衛生に大きく貢献することが予想される。
すべて 2020 2018
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件)
Microbiology resource announcements
巻: 9 号: 10 ページ: 0-0
10.1128/mra.01583-19
Journal of Clinical Microbiology
巻: 57 号: 2 ページ: 1-3
10.1128/jcm.01760-18
FEMS Microbiology Letters
巻: 365 号: 23 ページ: 1-8
10.1093/femsle/fny266
Int J Syst Evol Microbiol
巻: 68(8) 号: 8 ページ: 2437-2442
10.1099/ijsem.0.002845
Genome Announcements
巻: 6 号: 25 ページ: 1-3
10.1128/genomea.00552-18
Sci Rep
巻: 29;8(1) 号: 1 ページ: 8218-8218
10.1038/s41598-018-26425-1
巻: 6 号: 21 ページ: 1-3
10.1128/genomea.00448-18