研究課題
若手研究(B)
WNK-OSR1/SPAK-NCCカスケードは腎臓で塩分の出納を調節したり血管の収縮を調節したりすることで、塩分感受性高血圧に深く関わっている。最近になりWNKがKLHL蛋白によって制御されることが判明したが、その仕組みは詳しくわかっていなかった。そこで本研究では、KLHL2またはKLHL3の遺伝子をノックアウトしたマウスを作製・解析し、これらの蛋白の生体内における局在や働きについての詳細を明らかにした。また、慢性腎臓病において観察される塩分感受性高血圧にもこのカスケードが関わっていることも解明した。慢性腎臓病における線維化に対する新しい治療の候補薬剤も発見した。
高血圧患者は日本に1000万人以上存在し、中でも塩分感受性高血圧は臓器障害を起こしやすく、その対策は大変重要な課題である。今回我々が一連の研究により、KLHL3及びKLHL2の生体・特に腎臓における機能を解明したことで、WNK-OSR1/SPAK-NCCカスケードの上位調節機構について、より詳細な仕組みが明らかになった。このことは、塩分感受性高血圧の今後の病態全容解明や治療法開発に向けた学術的・社会的前進であると考えている。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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