研究課題
若手研究(B)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者は約半数に高次脳機能障害を認め、約10-15%は前頭側頭型認知症(FTD)の診断基準を満たし、ALS-FTDと診断されることが分かっている。ALS713例に対して次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を施行し、TBK1遺伝子変異を9例(1.26%)に認め、一部の症例はALS-FTDと診断されていた。また、3例にVCP遺伝子変異を認めた。3例中の2例は家族に封入体ミオパチーやFTDの患者を認め、残り1例は行動異常を伴い、ALS-FTDと診断されていた。これらの結果から、高次脳機能障害を伴うALSの遺伝的背景としてTBK1やVCP遺伝子変異の重要性が示唆された。
近年、ALS患者の約50%に認知機能障害や遂行機能障害といった高次脳機能障害を認め、ALS患者の10-15%は前頭側頭型認知症(FTD)の診断基準を満たし、ALS-FTDに分類されることがわかっている。また、ALSとFTDは共通の病理基盤を持ち、連続した疾患スペクトラムと考えられている。高次脳機能障害に影響を与える遺伝子は臨床像に影響を与える遺伝子ならびに進行を規定する蛋白の解明につながり、症状の進行を規定する蛋白の解明はその蛋白の働きを阻害する薬剤の開発につながり、孤発性ALSの病態解明、治療薬開発に大きく道を開く可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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