研究課題
若手研究(B)
高血糖及び小胞体ストレス下におけるメトホルミンの膵β細胞保護作用を検討した。インスリン抵抗性が惹起されない短期間高脂肪食負荷マウスでみられる膵β細胞の代償性増殖は、メトホルミン投与により膵β細胞増殖が抑制された。また、マウス単離膵島において、グルコース誘導性の膵β細胞増殖を抑制、高脂肪食および高血糖下において、AMPKリン酸化を亢進し、mTORシグナルを抑制した。メトホルミンは、小胞体ストレス誘導性の膵β細胞アポトーシスを抑制し、その機序とし、4EBP1を介し、翻訳開始を抑制する可能性が考えられた。メトホルミンは、インスリン抵抗性とは独立して、膵β細胞に保護的に作用している可能性が示唆された。
本研究で、メトホルミンによる、インスリン抵抗性とは独立した膵β細胞の保護機構を解明できれば、糖尿病発症前における早期治療の有効性など、糖尿病発症の抑制にもつながる。これは、経済面に多大な影響を及ぼしている糖尿病マネジメントにおいても、社会的な意義があると考えられる。さらには、メトホルミンによる保護機構を明らかにすることで、糖尿病の根本的治療となり得る膵β細胞量の制御機構の解明にも繋がることが期待できる。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
The Journal of Biological Chemistry
巻: 293 号: 16 ページ: 5934-5946
10.1074/jbc.m117.809228
Am J Physiol Endocrinol Metab
巻: 313 号: 3 ページ: E367-E380
10.1152/ajpendo.00447.2016
Sci Rep.
巻: 7 号: 1 ページ: 4119-4119
10.1038/s41598-017-04304-5