研究課題
若手研究(B)
典型的な体細胞変異が見いだされない本態性血小板血症(ET)患者は、非典型的なMPLの変異を有する集団と、変異が見いだされない集団に分類された。このうち後者の患者は若年女性が多く、血栓症や二次性線維化リスクが低かった。また患者血液細胞は、ポリクローナルな造血を呈したが、幹細胞には自律性の巨核球コロニー形成能が見いだされた。一方でMPLの野生型遺伝子をBa/F3細胞に発現させ、サイトカイン非存在下で数週間培養すると、リガンド非依存性に細胞増殖し、MPL下流のシグナル伝達経路の恒常的な活性化が生じることが明らかとなり、未知のMPL活性化機構が存在すること、これによりETが発症する可能性が示された。
本研究により、典型的な遺伝子変異の見つからないETの病態の理解を深める知見が得られた。さらに、リガンド非依存性にMPL下流シグナルを活性化する未知のメカニズムが存在することが初めて明らかになるとともに、このメカニズムによりETが発症する可能性が示された。今後の研究により、ET発症の新たな分子基盤が解明されることが見込まれることから、当該患者に対する迅速な診断法や有効な治療法の開発が期待される。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 4件)
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