研究課題
若手研究(B)
関節リウマチ(RA)の病態形成におけるヒストンアセチル化酵素の役割について、以下の知見を得た。RA滑膜細胞を用いた実験系から、①炎症性サイトカインTNFαはヒストンアセチル化酵素p300/CBPを増加させることで時計遺伝子Bmal1を増加させた、②この現象はp300/CBP阻害剤であるC646を使用することによって抑制された、③Bmal1と同じ共通配列を有する炎症性ケモカインCCL2の産生もC646の使用によって抑制され、CCL2による細胞遊走も抑制された。関節炎モデルマウスを用いた実験系から、④C646は関節炎の重症化を抑制することができた。
本研究は関節リウマチ患者由来滑膜繊維芽細胞において、TNF-αによる時計遺伝子発現パターンの変調にはヒストンアセチル化酵素が関与している、ことを示した初めての知見である。ヒストンアセチル化酵素阻害薬であるC646は、滑膜細胞の遊走を抑制し関節炎モデルマウスの重症化を抑制させる効果を認めた。これらのことから、ヒストンアセチル化酵素は関節炎の悪化を時計遺伝子を介して軽減することができる可能性が示され、RAの新しい治療標的となることが期待される。
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