研究課題
若手研究(B)
患者検体を用いた実験から、家族性地中海熱(FMF)患者の単球とマクロファージはIL-1bの分泌において表現型が異なることを明らかにした。患者単球からのIL-1b分泌はコルヒチンにより抑制されない一方、患者マクロファージからのIL-1b分泌はコルヒチンにより抑制された。また患者マクロファージは健常者より多くのIL-1bを分泌した。次に患者iPS細胞よりマクロファージを作製し、末梢血由来マクロファージの表現型を再現した。最後に疾患原性が不明のMEFV変異を発現した遺伝子改変マクロファージを作製し、IL-1b分泌亢進の有無を評価した。これにより、種々のMEFV変異を評価する土台を確立した。
MEFV変異は300近く同定されているが、これまでは患者数の多い変異でしか5つしかFMF発症との関連が証明されていなかった。本研究では日本の2家系で同定されているN679Hが新たにFMF発症と関連があることを証明した。われわれが開発した方法を用いることにより、疾患原性の有無が不明なMEFV変異がFMF発症に寄与しているかどうかを明らかにすることができる。これまでは疾患原性が不明な患者ではコルヒチン試験投与への反応性でFMFかどうかの診断がなされていたが、将来的には遺伝子変異が同定された時点でFMFかどうか診断される症例が増えることが予想される。
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