研究課題/領域番号 |
17K16266
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松重 武志 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60528941)
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研究協力者 |
調 恒明
土井 一輝
崔 丹
池田 栄二
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 急性弛緩性麻痺 / エンテロウイルスD68 / サイトカイン / 病理 / 急性弛緩性脊髄炎 / 脳神経疾患 / 感染症 / ウイルス |
研究成果の概要 |
急性弛緩性脊髄炎 (AFM) は、健康な小児に永続的な弛緩性麻痺を来すことが問題となっている。AFMの原因の一つとしてエンテロウイルスD68 (EV-D68)が想定されているが、病態は十分にわかっていない。本研究では主に以下の2点の成果が得られた。 1)AFM患者において、脳脊髄液中の炎症性サイトカインであるインターフェロンγ (IFN-γ)とインターロイキン6 (IL-6) が急性期に著明に上昇していることを発見した。2)遠隔期の神経移行術時に、末梢神経の病理学的解析を行い、神経の萎縮性変化、EV-D68陽性所見を認めた。 また、並行してマウスモデルを用いた解析の準備を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトでは脳脊髄液からEV-D68が検出されない。そのため、本病態がウイルスの脊髄への直接感染によるものか、二次的な免疫反応による神経障害なのかが不明であった。脳脊髄液のIFN-γ上昇を認めたことは、ウイルスによる直接感染を示唆する。したがって、急性期において過度な免疫抑制療法はマイナスに働く可能性がある。また、長期にわたって神経にEV-D68が感染することは過去に知られていないため、他の手法も含めて慎重に判断されるべきである。持続感染によって神経回復が妨げられているかどうかは現時点で明らかでないものの、抗ウイルス薬の治療適応は急性期だけではない可能性もあり、開発が望まれる。
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