造血幹細胞移植後HHV-6B再活性化と急性GVHD鑑別のためのバイオマーカー探索

• 研究課題/領域番号: 17K16282
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 小児科学
• 研究機関: 藤田医科大学
• 研究代表者: 三浦 浩樹 藤田医科大学, 医学部, 助教 (10751761)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
• キーワード: HHV-6B / 急性GVHD / サイトカイン / バイオマーカー / 造血幹細胞移植 / HHV-6 / GVHD

研究成果の概要

造血細胞移植患者のHHV-6Bモニタリングを行いHHV-6B再活性化群(A群)17例、皮膚GVHD群(B群)13例、HHV-6B再活性化+皮膚GVHD群(C群)11例、ともに認めなった群(D群)18例の4群に分類した。11種類の血清中サイトカイン/ケモカインを測定した。D群に比してA群は第2週でIL-2,4,6,10、第3週でIL-10,IP-10、第6週でIP-10,TNF-αが、B群は第2週でIL-4,17、第3週でIL-4,10,IP-10、第6週でIL-10,17が有意に上昇していた。レーダーチャートを作成し、A群とB群で第1,2週では図形は類似したが、第3,4,6週で偏位を認めた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

HHV-6Bは同種造血幹細胞移植患者で移植後2から4週間に再活性化し、急性GVHDの好発時期に一致し、臨床症状からHHV-6B再活性化に伴うウイルス性発疹症と真の皮膚GVHDの鑑別は困難である。急性GVHDに対してはステロイド治療を行うが、HHV-6B再活性化に対しては抗ウイルス薬の投与が必要であり、ステロイド治療はむしろ感染を助長する危険性がある。本研究によって移植後のサイトカインプロファイルを行うことで両者を鑑別できる可能性を見出した。このことは移植後種々の合併症に対する適切な治療選択に有用であるだけでなく、不要な治療を回避することで医療費の削減にも寄与する可能性がある。