研究課題
若手研究(B)
Ppp6c機能不全が、活性化型(変異型)RASによる腫瘍化を促進させて、腫瘍のより悪性化に働くのではとの仮説を証明する研究を行った。プロテインホスファターゼ6型の機能不全がK-rasG12D誘発皮膚腫瘍形成を増悪させることが明らかとなった。そのメカニズムはPpp6cが欠損すると変異型K-rasのシグナル伝達経路の中でも特にAKTパスウェイが選択的に活性化し、細胞増殖と細胞サイズ増大が促進され、腫瘍の発生を増強させると考えられた。
RAS変異は、ヒトのがんで最も高い頻度で同定される遺伝子変異である。RAS変異をもつ細胞が、他の遺伝子変異を蓄積することでより悪性度の高い腫瘍になると考えられる。一方で変異型RASに対する有効な治療法はいまだ開発されていない。考えられる治療法の1つは、変異型RASの悪性化を制御する因子を標的とした治療法である。本研究成果がそのような治療法の開発に繋がる可能性がある。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Cancer Science
巻: 109 号: 7 ページ: 2178-2187
10.1111/cas.13638
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