研究課題/領域番号 |
17K16367
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
塩飽 裕紀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90747502)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 統合失調症 / 精神疾患 / DNAダメージ / シナプス / クロマチン / DNA損傷 |
研究成果の概要 |
統合失調症は、現状の治療薬では十分に加療できない症状もあり、新しい病態仮説を想定して検証する必要がある。本研究では新しい病態仮説として、DNA二重らせんに対するダメージが蓄積することで、統合失調症の進行性の分子病態、すなわち残遺状態に至る分子病態になるという仮説を検証した。NMDA受容体阻害薬のPhencyclidine(PCP)の投与による統合失調症モデルマウスを用いて解析した結果、海馬のPV neuronにDNA二重鎖切断が起こっていること見出した。その下流として、PV neuronの遺伝子発現抑制が起こっていることを見出した。これらが蓄積して、残遺状態へ進行する可能性が考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、すでに提唱されている統合失調症病態だけでは理解及び治療が不十分な、残遺状態に至る進行性・蓄積性の統合失調症の認知機能障害及び陰性症状の分子病態について、これまでに触れられていないDNA二重鎖切断病態が提唱された。統合失調症は、人口の約1%が罹患し、難治な場合もある精神疾患である。そのため、本研究により、DNAダメージを抑制する治療方法が確立されれば、統合失調症の残遺状態に至らないようにする治療戦略や、至った後でも回復を促す新たな治療戦略が生まれるかもしれない。
|