研究課題
若手研究(B)
本研究では、養育機能との関与が指摘されている母親から児へ向けた愛着形成の問題、いわゆる、ボンディング障害に関する検討を行った。関連する要因として、母親の抑うつ状態が明らかとなった。さらに、二者間の交絡要因である「ソーシャルサポートの乏しさ」を含めた三要因で検討した。その結果、周産期女性が主観的に認識している妊娠期のソーシャルサポートの「提供者の数」と「満足度」の双方が、産後のボンディング障害と抑うつ状態に対して保護的な働きを持ち得ることが明らかとなった。
本研究で検討した周産期女性の精神的健康やボンディング障害は、近年社会的な問題となっている虐待や自死と関連することが明らかとなっており、これらの危険因子や保護因子を検討したことで、周産期女性に対するケアや予防的対応法の一部が明らかとなったことは社会的意義として大きいと考える。さらに、これらを検証する際に使用する評価尺度の信頼性妥当性の検討も行っており、今後の研究利用において学術的意義も大きいと考える。
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