研究課題/領域番号 |
17K16407
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
澤田 知世 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (90708471)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 一卵性双生児 / iPS細胞 / 精神疾患 / 脳オルガノイド |
研究実績の概要 |
1.双極型失調感情障害に関して不一致な一卵性双生児より樹立したiPS細胞由来神経幹・前駆細胞(NSPCs)のトランスクリプトーム解析から示唆された罹患双生児におけるWntシグナル経路の異常が、よりin vivoに近い細胞間相互作用を再現した脳オルガノイドにおいても確認できるかについて検討した。オルガノイドの凍結切片を作製し、内部構造について神経幹細胞マーカーや細胞増殖マーカー等に対する各種抗体を用いた免疫染色により評価した結果、罹患双生児由来オルガノイドでは大脳皮質様の内部構造が、非罹患双生児と比較して顕著に小さいことを見出した。GSK3β阻害剤(LiCl、CHIR99021)またはWnt3a処理によってWntシグナル経路を活性化した場合、この内部構造の異常が改善したことから、脳オルガノイドにおいても罹患双生児におけるWntシグナル経路の異常が確認された。2.双生児間で認められたiPS細胞由来NSPCにおける差異がエピジェネティックな差異に起因するのかについて、培養8、24日目のNSPCsからゲノムDNAを抽出し、バイサルファイト処理の後、DNAメチル化アレイ解析による検討を実施した。双生児間でメチル化レベルに差のあったCpGサイトのうち、トランスクリプトーム解析において発現差異を見出していた遺伝子上にあるものに着目しパスウェイ解析を行った結果、8日目にはWntシグナル関連遺伝子、24日目にはGABA作動性ニューロン関連遺伝子のエンリッチメントが認められた。このことから、双生児間におけるiPS細胞由来NSPCsの遺伝子発現や細胞表現型の差異にエピジェネティックな要因(DNAメチル化の差異)が関与することが示唆された。
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