研究課題
若手研究(B)
X線照射や化学療法剤処理により、DNA損傷シグナル依存的な腫瘍細胞のPD-L1発現誘導を認めた。さらに、Ku80またはBRCA2のノックダウン細胞に対するX線照射後にも、Chk1を介したPD-L1発現誘導が亢進することを明らかにした。以上から、X線照射後のPD-L1発現誘導には、Chk1の活性化を含むDNA損傷に対する一連の反応が重要であることが明らかになった。加えて、DNA二重鎖切断によるPD-L1発現誘導にもSTAT1/3-IRF1経路が関与していることを明らかにした。以上の結果より、DNA損傷応答が腫瘍細胞のPD-L1発現調節に関わるメカニズムを解明した。
本研究にて、腫瘍細胞のPD-L1発現に影響するDNA修復関連遺伝子を明らかにしたことで、患者一人ひとりのDNA修復関連遺伝子の変異状況の評価により、放射線治療や化学療法と抗PD-1/PD-L1抗体を併用した場合の効果予測が可能となり、患者の個人レベルでの治療効果の改善に貢献できると考えている。さらに、抗PD-1抗体の医療費は高額であることから、放射線治療と抗PD-1抗体治療併用の症例毎の有効性の予測は、医療費における経済的メリットにも繋がると考えられる。
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