研究課題/領域番号 |
17K16458
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
斉藤 哲雄 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30467980)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | リンパ球減少 / 放射線治療 / 腫瘍免疫 / リンパ球温存 |
研究成果の概要 |
緩和的放射線治療において放射線治療前後のリンパ球、白血球、好中球、血小板の変化を調べた。骨髄の線量パラメーターは白血球、好中球、血小板減少の有意な予測因子ではなく、総じて血球減少は軽度であった。一方、リンパ球では、低線量を用いた緩和的放射線治療後においても強い減少がみられ、リンパ球の放射線感受性がとりわけ高いことを示すものである。 食道癌への化学放射線療法を受けた症例の治療計画データを用いて、治療計画用CTで、脾臓、骨髄、体の輪郭描出を行った。脾臓のV5、V10、V20、V30、平均脾臓線量の高値は、放射線治療後のリンパ球数nadirの低値の予測因子であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍免疫において重要な役割を担うT・Bリンパ球に対して、放射線治療は相反する二つの作用を持つ。リンパ球の腫瘍への攻撃に促進的に作用する一方、リンパ球数を減少させることで抑制的にも作用する。本研究では、放射線治療によるリンパ球数減少を軽減することにより、放射線治療の腫瘍免疫への促進的な効果を十分に享受する治療法の確立を目指す。過去の我々の研究結果と合わせ、放射線治療後にリンパ球減少のリスクの高いのは、①照射される体の容積が大きく、②照射回数が多く、③脾臓の多くに高線量照射される場合と考えられる。リンパ球を温存する放射線治療を開発する上ではこれらの要素を考慮に入れる必要がある。
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