研究課題
若手研究(B)
急性肝障害の発症初期における重症化や予後を予測するモデルを探索するため、発症から3週間以内の発症初期にSPECT/CTを用いたアシアロシンチグラフィを行い、アシアロ糖蛋白受容体活性の定量解析を行った。急性肝不全への進行に寄与する因子は、単変量解析ではγ-GTP、MELDスコア、LHL15、3次元肝臓集積度(LUC)が有意であったが、多変量解析では独立因子を見出せなかった。入院日数に寄与する因子は、単回帰分析ではPT活性、LHL15、LUCが有意であり、重回帰分析ではLHL15が有意な因子であった(p=0.018)。アシアロ糖蛋白受容体活性の定量解析は急性肝障害発症初期の病勢把握に有用である。
急性肝障害では肝予備能および予後評価の指標として、Model for End-stage Liver Disease(MELD score)や難治性肝胆道疾患に関する研究班による肝移植適応ガイドラインが用いられるが、重症化、とくに劇症化した症例では有用である一方で、肝機能が低下傾向だが急性肝不全までには至っていない初期の段階での診断能は高くない。肝細胞のアシアロ糖蛋白受容体活性の2次元および3次元定量解析により発症初期の急性肝障害の重症度と予後との関連を詳細に調査した検討はなく、本研究結果が急性肝障害診療の一助になれば、肝不全の抑止につながり社会的に貢献できる可能性がある。
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