研究課題/領域番号 |
17K16494
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 一般財団法人脳神経疾患研究所 |
研究代表者 |
原田 崇臣 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北がん陽子線治療センター, 研究員 (70791127)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | BNCT / 低酸素細胞 / アミノ酸トランスポーター / 低酸素誘導因子 / HIF阻害剤(YC-1) / 低酸素 / 薬剤取り込み / 再酸素化 / RBE / CBE / Drug delivery system |
研究成果の概要 |
ボロノフェニルアラニン(BPA)を用いたBNCTにおいて、低酸素細胞ではBPAの取り込み能が酸素濃度に依存して有意に低下することが知られている。本研究では、低酸素腫瘍細胞においてはBPAの取り込みに関与するアミノ酸トランスポーター(LAT1)の発現が低下すること、また、低酸素誘導因子(HIF-1α)のノックダウンによって、LAT1の発現が回復することが確認された。低酸素細胞におけるBNCTの治療効果の低下には、HIF-1αによるLAT1の遺伝子発現の低下が関与することが示唆された。BNCTにおけるHIF阻害剤の併用は、低酸素細胞に対するBNCTの治療効果を増感させる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低酸素細胞に対するBNCTの治療効果の減弱が様々な報告から明らかにされつつあるものの、具体的な改善策は明確ではない。本研究より、低酸素細胞におけるBNCTの治療効果の低下には、HIF-1αによるLAT1遺伝子発現の低下が関与することが示唆された。BNCTにおいて、HIF-1αのノックダウンとLAT1の遺伝子発現評価に関する報告はなく、本研究から得られた新たな知見である。また、HIF阻害剤とBNCTを併用することで、低酸素細胞に対するBNCTの治療効果を増感させる可能性が示されたことから、低酸素分画を有する腫瘍に対するBNCTの適応拡大の可能性を示唆する大変意義のあるデータが得られたと考える。
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