研究課題/領域番号 |
17K16496
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
小林 亜利紗 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 研究員(任常) (30773931)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線誘発バイスタンダー効果 / ヒドロキシラジカル / がん細胞 / 放射線がん治療 / 肺がん |
研究成果の概要 |
本研究は放射線誘発バイスタンダー効果の線質依存性の有無と機序を解明する事を目的とした。その為X線で生成されるOHラジカルをチオ尿素で消去する事で異なる線質を模擬した。細胞にチオ尿素有(TU+)無(TU-)条件でX線照射し、同一生存率を示す条件間を比較評価した所、バイスタンダー効果の指標として検出したCyclooxygenase-2(COX-2)がTU+条件のバイスタンダー細胞ではNuclear factor kappa-B (NF-κB)依存的に発現する可能性を見出した。つまり本研究は、バイスタンダー効果に線質依存性が存在し、バイスタンダー効果経路の決定に重要な役割を担う事を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線がん治療では様々な放射線が用いられており、其々の放射線が持つ特性(線質)を生かした治療がなされている。しかし、照射領域外の非照射細胞に対して照射細胞と類似した生物学的効果が現れる"放射線誘発バイスタンダー効果"が線質によって変わるのかは明らかになっていない。そこで本研究はバイスタンダー効果に線質依存性があるか評価した。その結果、バイスタンダー効果の発現機序は線質によって変化することを見出した。これは、用いる線質によって周囲の非照射細胞への影響が異なることを意味し、放射線がん治療における局所制御率等の向上の為には、バイスタンダー効果による影響も加味し、線質を決定する必要がある事を示した。
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