研究課題/領域番号 |
17K16584
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膵臓癌 / Lysosome / オートファジー / 酸性αグルコシダーゼ / 酸性さらみだーぜ / アデノウイルスベクター / 抗癌剤耐性 / 遺伝子治療 / ライソゾーム |
研究成果の概要 |
切除不能膵臓癌における抗癌剤耐性について、ライソゾーム酵素に焦点を当て研究した。ヒト膵臓癌細胞株および動物実験モデルで検証された。マイクロアレイ解析では抗癌剤によって要求が上昇するライソゾーム酵素群を特定した。中でも酸性αグルコシダーゼや酸性セラミダーゼなど糖や脂質代謝に関連する酵素の上昇認めた。これらを標的としてRNA干渉を行い、細胞増殖抑制効果を確認した。酸性αグルコシダーゼ阻害では異常ミトコンドリアが蓄積し、細胞死に誘導された。酸性セラミダーゼ阻害では細胞内にセラミドやROSが蓄積し、細胞死誘導された。ウイルスベクターを用いた遺伝子治療をマウスモデルで検証し、腫瘍増殖抑制効果を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切除不能膵臓癌には塩酸ゲムシタビンを中心とした化学療法が適応されている。生存期間中央値は7-9カ月と予後不良であり、抗癌剤耐性を示す症例に対する新たな治療法の開発が必要である。我々は抗癌剤耐性に関与するオートファジー機構の実態であるライソゾーム酵素に着目し、抗癌剤投与によって細胞内の要求が上昇する酵素群を特定し、その酵素を阻害することで抗癌体制を改善する方法を培養細胞および動物実験モデルで明らかにした。当該研究の結果は将来的に抗癌剤耐性を改善させ、膵臓癌化学療法の奏功率を大きく改善させる可能性がある。
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