研究課題
若手研究(B)
female BALB/c nudeマウスに対し、大腸癌細胞株(DLD-1 clone#1-Luc)を骨盤内に注射を行ったところ、安定的な骨盤内再発モデルの樹立が可能であった。腫瘍の生着および発育を実験動物用X線CT(Latheta LCT-200)、発光・蛍光イメージング(IVIS Lumina imaging system)を用いて観察を行ったところ、屠殺することなく経時的な変化を検証可能であった。骨盤内再発マウスモデルの確立自体が世界初の報告であり、今後BNCTの有用性の研究成果についても非常に価値のある報告になると示唆された。
直腸癌骨盤内再発に対する第一選択は、R0を目指した骨盤内臓全摘術が適応となることが多い。しかし侵襲の大きさとQOLの顕著な低下が懸念される。BNCTは硼素化合物を投与されたがん細胞に、熱中性子線を照射することで、硼素と熱中性子が核反応し、がん細胞のみを選択的に破壊する治療であるが、現状では大腸癌に対しては適応外である。今回報告した、大腸癌細胞株による骨盤内再発マウスモデルの確立自体が世界初である。BNCTにて正常細胞への合併症を軽減し、がん細胞だけを選択的に破壊することで他臓器機能を温存し、安全で的確な低侵襲のテーラーメイド治療への進化が期待できるため、非常に価値のある研究成果と考えられた。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Sci Rep.
巻: 9(1) 号: 1 ページ: 19630-19630
10.1038/s41598-019-56152-0