研究課題/領域番号 |
17K16607
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
呼吸器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 賢二 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50795325)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 肺癌 / 発癌 / 肺異型腺腫様過形成 / 肺腺癌 / 異型腺腫様過形成 |
研究成果の概要 |
異型腺腫様過形成(AAH)は前浸潤病変として分類され、浸潤癌へ進展していくとされる。近年、EGF/RasシグナルとWntシグナルの下流に存在し、肺癌の増殖や遊走能に関わると報告があるArl4cという分子に注目した。正常ヒト微小気管支上皮細胞(SAEC)へKrasG12Vと共にArl4cを導入すると、リン酸化のERKのシグナルが亢進しその増殖能を上げる結果を得た。さらに肺切除標本のAAHを有する症例に対してArl4c抗体で免疫染色を行うと79%の症例でAAH部に発現を認めた。以上から、肺腺癌発生過程であるAAHの病態には、既知のKras変異に加えArl4cも関与している可能性があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺腺癌の前癌病変(AAH)で特異的に発現し、癌化の過程に直接的に関わる遺伝子変異は明らかにされていない。AAH発生の機序を解明して、肺腺癌発症の機序を明確化することは今後の治療薬開発などにおいても重要である。申請者は、肺腺癌の癌化に関わる遺伝子変異を明らかにし、新たな肺癌治療を考案することを目的に研究を開始した。今回、AAHの病態を反映した細胞実験と臨床検体を用いた実験の両面からAAHの病態にArl4c分子が関与している可能性を示したのは初めてのことである。このことは、新たな肺癌治療を考案するのみならず肺癌予防医学にも多大な貢献が期待できると考えられる。
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