研究課題/領域番号 |
17K16644
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福永 貴典 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30745005)
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研究協力者 |
山下 俊英
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 神経膠腫 / IDH変異 / 浸潤 / G0S2 |
研究成果の概要 |
本研究では、実際の神経膠腫検体を用いてIDH変異型ではG0S2の発現が低下し、神経膠腫細胞株のG0S2の発現を低下すると浸潤能が抑制されることを同定した。また、G0S2の発現を低下した神経膠腫細胞株をマウスの脳内に移植し、正常群に比べて周囲の正常脳への浸潤が抑制され、生存期間が延長することを同定した。さらに、IDH変異で低下する脱メチル化酵素TET2を神経膠腫株に過剰発現させるとG0S2の発現が上昇することも同定した。以上より、IDH変異型神経膠腫では高メチル化によってG0S2の発現が低下して細胞浸潤が抑制され、予後が改善していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経膠腫は難治性原発性中枢神経系腫瘍であり、最も悪性度が高い膠芽腫の平均生存期間は16.8ヶ月と短い。二次性膠芽腫は、de novo膠芽腫に比べてイソクエン酸脱水素酵素(IDH)変異を多く認め、予後が良いことが知られていたが、IDH変異群で予後が良い機序は解明されていなかった。本研究の結果により、IDH変異型神経膠腫では高メチル化によってG0S2の発現が低下して細胞浸潤が抑制され、予後が改善していると考えられ、IDH変異型神経膠腫の予後が良い理由の一端を解明した。これらの結果は難治性神経膠腫の病態解明に役立つものと思われる。
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