研究課題
若手研究(B)
膠芽腫個体間の遺伝子変異の不均一性や、その予後マーカーとしての意義を検証すべく、本邦の膠芽腫を対象とした遺伝子解析を行った。日本と米国のThe Cancer Genome Atlas (TCGA)の初発膠芽腫のデータベース(分子遺伝学的背景や臨床情報)を用いて詳細な生存解析を行った結果、新たな予後不良バイオマーカーとしてEGFR, PTEN, CDKN2Aのゲノムコピー数異常を共有する分子プロファイルとして「Triple CNA」を見出した。さらにこの予後不良な遺伝子プロファイルの極端な頻度差が、日本と欧米間で見られる膠芽腫の予後格差の主たる説明因子となっていることを突き止めた。
希少疾患である膠芽腫において、国内200例を超えるIDH野生型膠芽腫の分子遺伝学的検討と詳細な生存解析を行った本研究は、アジア発の膠芽腫コホートとしては過去最大級となる。本研究成果により、「Triple CNA」などのゲノムコピー数異常が膠芽腫患者の新たな予後層別化因子となることが明らかとなった。さらにゲノムコピー数異常は、これまで報告されている膠芽腫の地域間予後格差の説明因子となり得ることが示された。地域差や人種差に着目した新たな膠芽腫臨床試験デザインや新規治療の開発が期待される。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件)
Acta Neuropathologica Communications
巻: 7 号: 1 ページ: 131-131
10.1186/s40478-019-0749-8