研究課題/領域番号 |
17K16659
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
宮田 五月 自治医科大学, 医学部, 講師 (10705445)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 網羅的代謝解析 / β酸化 / 脂質代謝 / イソクエン酸脱水素酵素 / 神経膠腫 / バイオマーカー / MRS / LC model / アシルカルニチン / IDH mutation / グリオーマ / NMR / イソクエン酸脱水素酵素変異 |
研究成果の概要 |
IDH変異陽性の神経膠腫は、IDH正常の神経膠腫よりも予後が良い。この機序はいくつかの代謝酵素の変化が関わっていると考え、細胞株群と患者脳腫瘍群を用いて網羅的代謝解析を行った。その結果、TCA回路の抑制やエネルギー、アミノ酸、核酸の低下などを示した。また両群の比較では、患者群においてアシルカルニチン、カルニチンの有意な低下を認めた。この結果はβ酸化の抑制を示唆した。文献的にもIDH1変異に伴うαケトグルタル酸の低下は、β酸化を抑制する。また、細胞実験においてβ酸化を抑制すると細胞分裂が抑制されると確認した。そのため患者群においてIDH変異に伴うβ酸化の抑制は、予後に影響すると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳腫瘍におけるIDH変異は予後良好であるが、他の癌腫においてIDH変異は予後良好マーカーではない。IDH変異の予後良好の機序は不明である。そのため我々は網羅的代謝解析を行いIDH変異の機序を解明した。 今回の研究結果から、IDH正常群の脳腫瘍や他の癌腫における予後良好機序を応用した新規治療などの可能性がある。また、網羅的代謝解析を行って判明した新規バイオマーカー候補物質の可能性がある。つまり、脳腫瘍においてはMRSを用いた術前診断が精度高く可能となり、将来的に手術などを含めた治療戦略の一助となる可能性もある。他の癌腫においては、血液などからバイオマーカー診断を行える可能性もある。
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