研究課題/領域番号 |
17K16665
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山室 俊 日本大学, 医学部, 兼任講師 (30790886)
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研究協力者 |
吉野 篤緒
小澤 祥成
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膠芽腫 / 免疫療法 / グリオーマ幹細胞 / IDO1 / 悪性神経膠腫 / 神経膠腫幹細胞 / 脳腫瘍 / グリオーマ / 免疫抑制能 |
研究成果の概要 |
膠芽腫に対する新規治療法を開発すべく、膠芽腫の悪性度に強く関与しているグリオーマ幹細胞の免疫機構、なかでも自己免疫を抑制する分子であるIDO1の発現について詳細に検討した。市販および手術患者検体由来の膠芽腫細胞株を用い、各々を無血清培地で一定期間培養することでグリオーマ幹細胞様の細胞株を樹立した。グリオーマ幹細胞様細胞株に対し、神経幹細胞のマーカー分子およびIDO1の発現を解析したところ、これらの分子の発現が上昇していることが確認された。このことは、グリオーマ幹細胞がIDO1を高発現することで自己免疫を抑制し、膠芽腫の悪性度に寄与していることを示しており、新たな治療標的になり得ると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫は脳腫瘍の中で最も悪性度の高い腫瘍であり、現在の標準治療に加え様々な新規治療が研究開発されているにも関わらず、その予後はいまだに極めて不良である。膠芽腫の悪性度にグリオーマ幹細胞が強く関与していることが知られているが、その性質や治療抵抗性を示すメカニズムに関しては分かっていないことが多い。本研究により、グリオーマ幹細胞が通常の膠芽腫細胞よりもIDO1を多く発現することにより、自己免疫をより強く抑制していることが明らかとなった。このことは、グリオーマ幹細胞の自己免疫抑制能が新たな治療標的になり得ることを示唆しており、膠芽腫の新規治療法を考えるうえで重要な突破口のひとつになると期待される。
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