研究課題
若手研究(B)
I型筋強直性ジストロフィー(DM1)では、DMPK遺伝子の非翻訳領域に存在するCTGリピート配列が異常に伸長することでスプライシングに異常が生じ、骨格筋などに障害が起こる。本研究では、DM1患者由来iPS細胞を樹立し、tet-on-MYODを導入してDoxycycline添加で骨格筋細胞へと分化を可能とした。さらに、それらの細胞にスプライシング異常をモニタリングするレポーターを導入し、イメージングサイトメーターでのハイスループットな解析を行えるようにして、DM1におけるスプライシング異常を回復する薬剤をスクリーニングできる系を確立した。
これまでにもDM1の治療薬を開発するために薬剤スクリーニングが行われてきたが、未だ有効な治療薬が見つかっていないのが現状である。本研究では、DM1患者由来のiPS細胞から分化誘導した骨格筋細胞がスプライシング異常という病態を再現していることを示し、治療薬のスクリーニングにヒトiPS細胞が有用であることを明らかにした。さらに、新たにスプライシングの状態をモニタリングするレポーターを開発し、ハイスループットな治療薬のスクリーニングができる系を確立したことで、これまでのスクリーニングで得られなかった新たな治療薬を開発できる道筋を開いた。
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Sci Rep.
巻: 13 号: 1 ページ: 42522-42522
10.1038/srep42522