研究課題
若手研究(B)
2020年度に、研究代表者が所属する施設において2008年から2019年までに行われた麻酔科管理症例のデータベース化を行ない、周術期大規模データベー スの構 築については呼吸循環パラメータ、および手術患者のアウトカム(在院死亡、1年生存、在院日数)のデータベース化を完了していた。 2021年度はこの大規模データベースを用いて術中の呼吸・循環変動が予後に及ぼす影響を明らかにし、患者予後の改善につながる呼吸・循環管理指針 の策定に寄与するような研究を実施した。中等度-高リスクの手術を受ける患者において、術前呼吸機能が患者予後に及ぼす影響を調査し、一秒量や肺活量等の一般的に用いられている呼吸機能検査のデータと患者予後との間に明確な関連が見られないことを明らかにした:2012年6月から2019年3月までに,18歳以上で,2014年欧州心臓病学会/欧州麻酔科学会ガイドラインに従って周術期合併症のリスクが中等度から高いと予想される非肺・非心臓手術を受けた成人患者を対象とし、手術前6カ月以内に肺機能検査で測定された術前FEV1と術後 30 日以内の呼吸不全および/または死亡との関連を、ロジスティック回帰モデルを用いて患者因子と手術因子に基づいて術後呼吸不全の発生確率を予測するスコアリングシステムであるRespiratory Failure Risk Indexを調整したうえで検討したところ、術前FEV1と術後呼吸不全および/または死亡との間に有意な関連は認められなかった(FEV1 10%低下あたりの調整オッズ比:1.01,95%信頼区間:0.88~1.17,P=0.838)。現在この内容を論文執筆中である。
3: やや遅れている
患者情報システムからの大規模なデータ抽出は技術的に難しく、実行に時間を要した。このために研究計画全体が大幅に遅れていたが、データ抽出・解析は完了し論文執筆を行っている。
呼吸循環パラメータ、および手術患者のアウトカム(在院死亡、1年生存、在院日数)のデータベース化は完了し、また、研究者の所属部署内でも研究チームを組織し迅速な解析を行う体制ができた。現在データベースを用いて術中管理と患者予後との間の関係を明らかにする研究を進めている。
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