研究課題/領域番号 |
17K16729
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
瀬尾 英哉 京都大学, 医学研究科, 助教 (40782652)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ICU-AW / 敗血症 / カテコラミン / 筋萎縮 / β遮断薬 / IL-6 / ミオパチー / ステロイド |
研究開始時の研究の概要 |
集中治療において、敗血症患者の約半数が四肢の脱力を特徴とするICU-acquired weakness (以下ICU-AW)を発症すると言われる。ICU-AW発症は患者の生命学的予後、QOLに強く関与するがその特異的予防法および治療法は未だ確立されていない。 そこで本研究においては、β遮断薬がICU-AWの発症を予防もしくは治療し得るかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究期間において「ICU-AWの増悪因子がカテコラミンである」との仮説を、In vitroにおいてC2C12(マウス筋芽細胞)敗血症モデルに対し、生化学的アプ ローチを用いて検証した。結果、リ ポポリサッカライドはAtrogin-1を誘導することで近筋萎縮を誘導するが、これらの応答はカテコラミンによっ て増強され筋萎縮を増悪させた。カテコラミンはIL-6-STAT3経路を活性化することで、LPSによって誘導される NF-κB-C/EBPδ- atrogin-1経路の活性化を増強する。さらに、非選択的βアドレナリン受容体拮抗薬はこれら 筋萎縮因子の発現量を低下させ、筋萎縮を減弱させる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症によるICU-acquired weakness (以下ICU-AW)の予防法の探索および発症メカニズムは未だ解明されてい ない。敗血症時には過剰に分泌、もしくは外来性に投与されたカテコラミンが様々な臓器障害を増悪させている ことが知られており、我々は敗血症時の高濃度カテコラミンが筋萎縮を増悪させることがICU-AWの主要因である と考えた。結果、カテコラミンは敗血症時の筋委縮を増悪させるメカニズムを解明し、更にβ遮断薬がICU-AWの 治療もしくは予防する可能性を示すことに成功した。今後高齢化が進む社会において患者QOL向上に役立つ本研 究の意義は極めて大きい。
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