研究課題
若手研究(B)
本邦の13価結合型肺炎球菌ワクチン (PCV13) 導入後の菌交代現象の解明のため、2017年3月から2018年2月までの小児急性中耳炎の中耳貯留液から検出された肺炎球菌44株の血清型と薬剤感受性検査を解析した。血清型は15A (15.9%)が最多 で、次いで23B (11.4%) であった。7価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7) でカバーされる血清型は0%で、PCV13でカバーされる血清型は9.1%であった。血清型15Aはすべての株がペニシリン非感性株だった。ペニシリン耐性率の高い血清型15Aが多く認められたことは、小児難治性急性中耳炎の病態の一因として留意しなければならないと考えられた。
肺炎球菌は急性中耳炎の代表的な原因菌である。13価結合型肺炎球菌ワクチン (PCV13) は導入後にPCV13が効果を示さない血清型の肺炎球菌が増加する菌交代現象が問題となる。本研究によりPCV13では効果がなく、なおかつペニシリン非感性の血清型15Aが増加していることがわかり、今後の小児急性中耳炎の難治化の原因になる可能性が示唆された。
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