研究課題/領域番号 |
17K16895
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 淳 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (10755648)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 内耳障害 / 難聴 / めまい / BDNF / TrkB / 神経科学 / 神経栄養因子 / 内耳 / TrkB受容体 / 7, 8-DHF |
研究成果の概要 |
経口投与可能なTropomyosin-receptor-kinase B(TrkB)作動薬である7,8-Dihydroxyflavone (7,8-DHF)の前庭および蝸牛障害動物モデルに対する治療効果を検証した。GM性前庭障害モデル動物に7,8-DHFを経口投与すると前庭組織において膨大部神経の温存、前庭有毛細胞の自発的再生増加、有毛細胞-膨大部神経間のシナプスリモデリングがみられ、最終的に前庭機能が改善することが明らかとなった。一方、騒音暴露による蝸牛障害モデルにおいては、7,8-DHFによる騒音性難聴の改善効果はみられず、組織学的も有毛細胞の保護・改善効果は得られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの内耳障害治療は、不可逆的な聴覚・平衡障害をきたす恐れのある内耳局所の侵襲を伴う手法を余儀なくされ、臨床応用への高い障壁となっていた。 本研究では神経栄養因子BDNF類似のTrkB作動薬である7,8-DHFの経口投与により、薬剤性前庭障害が改善することを示した。本研究結果は新たな内耳障害の治療戦略として、7,8-DHFの経口投与が薬剤性や加齢性の平衡障害をはじめとする有毛細胞障害、求心性神経障害が病態の一つと考えられる全ての内耳障害の治療に結び付く可能性を示したという臨床応用的意義を持つ。
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