研究課題
若手研究(B)
優性遺伝形式をとる難聴は、先天性非症候群性難聴の10%程度であるとされており、比較的頻度の低い稀な疾患である。現在までに約30種類の遺伝子が同定されているが、家系ごとに原因遺伝子変異の種類や臨床経過が大きく異なるため、優性遺伝形式をとる難聴の臨床像は必ずしも明らかとなっていない。本研究では、当研究室が管理する日本人難聴患者DNAデータベースより、原因遺伝子が特定できていない優性遺伝形式をとる遺伝性難聴家系をピックアップし、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析を行った。その結果、今回変異検索を行った207例中、86名(41.5%)に少なくとも一つの難聴の原因となりうる遺伝子変異を認めた
本研究により日本人難聴患者の原因遺伝子変異の種類や頻度を明らかにするとともに、どのような難聴を呈するかといった臨床的特徴を明らかにすることができた。特に、原因遺伝子の種類により聴力像が異なるという情報は、補聴器や人工内耳といった難聴に対する治療法を決める上で有用な情報として活用されることが期待される。
すべて 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
Hum Genet
巻: NA 号: 10 ページ: 1315-1323
10.1007/s00439-020-02174-y
PLoS One.
巻: 14 号: 5 ページ: 0215932-0215932
10.1371/journal.pone.0215932