研究課題/領域番号 |
17K16910
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 亮介 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40736708)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 気管 / 軟骨 / 上皮 / 再生 / 血管新生 / コラーゲン / ヘパリン / スキャフォールド |
研究成果の概要 |
当講座で開発した人工気管は臨床において上皮および間質の再生を達成してきた。しかし、気管軟骨の再生は誘導できなかった。動物実験では自家軟骨細胞移植により、人工気管内に軟骨組織が再生されたが、上皮再生の遅延も起こった。本研究では気管軟骨様の形状および物性を有するスキャフォールドを用いて軟骨細胞を適切な位置へと配置し、他組織の形成を阻害する軟骨細胞由来因子の拡散を抑えるヘパリンを周囲に配置した移植材を調製し、軟骨と上皮組織の再生を両立することを試みた。この移植材をウサギ気管欠損へ移植したところ、欠損を覆うように円弧状に軟骨が形成されており、上皮再生も比較的早く観察され、当初の目的が概ね達成された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では気管再生医療における軟骨再生技術を発展させ得る知見が得られた。 これまで用いられてきた人工気管は、空気の通り道として重要な気管の筒状構造を十分に維持するためにポリプロピレンを用いてきた。ポリプロピレンは形状が固定されているために、小児には使用できず、先天奇形による気管狭窄等を治療することができない。 動物実験では、軟骨細胞移植によって気管軟骨再生を可能とする技術が示されているが、軟骨細胞由来の因子は血管等の組織形成を阻害するという課題が存在していた。本研究で得られた結果は、軟骨細胞移植の負の要素を改善し、軟骨と他組織の再生を両立するための技術を提案している。
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