研究課題/領域番号 |
17K16912
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大畠 和也 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10778632)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | セロトニン / 内耳障害 / シスプラチン / 外有毛細胞 / 聴覚 |
研究成果の概要 |
免疫染色を用いて5-HT3A受容体の内耳での発現を確認した所、外有毛細胞を支配する遠心性線維(MOC)に特異的に発現していることがわかった。次に聴覚機能を比較した結果、5-HT3A受容体KOマウスではシスプラチンによる聴覚閾値上昇が有意に抑えられていることが分かった。 一方、音響外傷を用いた検討では、KOマウスの方が有意に内耳障害が増強していること、およびこのマウスのMOC機能が野生型と比べ有意に低下していることがわかった。これらから5-HT3A受容体は正常なMOC機能を保つために必須であり、それの欠損により強大音に対する防御機能を担うMOC機能が減弱し内耳障害が増強するということが解明できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内耳障害と5-HT3A受容体の関連については今まででほとんど報告がなく、今回の知見は非常に学術的意義が大きいものと考えられる。さらに、薬理学的検討にて5-HT3A受容体阻害薬の投与により、シスプラチンの内耳障害を軽減可能であったことは学術的および社会的観点からも意義深いものと思われる。なぜならば、通常抗ガン剤としてシスプラチンを用いる際に制吐剤として5-HT3受容体阻害薬が用いられている。我々の知見と併せて考えると、この5-HT3受容体阻害薬が内耳障害も予防できていた可能性がある。
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