研究課題
若手研究(B)
病態メカニズム解明と新たなバイオマーカーを特定するために、最新のノンターゲッティングメタボロミクス分析を組み合わせて、視神経挫滅(NC)の2、4、および7日後のマウス全網膜における代謝産物変動をプロファイルした。 NC後に濃度が変化した30の代謝産物を同定した。イメージングMSを用いて、代謝産物の変動を調べた結果、L-アセチルカルニチンは、網膜全体のみならず網膜神経節細胞層においても、網膜神経節細胞死に伴って増加していた。質量分析計とイメージングMSを組み合わせメタボロミクス分析は、病理メカニズムやバイオマーカーを明らかにし、緑内障の新たな治療標的の探索を可能にすることが示唆された。
本研究により、網膜神経節細胞死の進行度を予測する代謝物として、アセチルカルニチンの測定が有用である可能性が示された。本研究によって、眼圧非依存的な視神経障害を原因とした網膜神経節細胞死に関連する分子が明らかにされたことから、 今後、ヒト臨床検体での詳細な解析やコホート研究におけるオミックス解析等のビッグデータ解析を通じ、緑内障の疾患予防に資する新たなバイオマーカーの開発と臨床診断への応用を目指した研究の発展が期待される。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (2件)
Sci Rep
巻: 8 号: 1 ページ: 11930-11930
10.1038/s41598-018-30464-z