研究課題
若手研究(B)
網膜の視覚情報処理において、いずれのP2X受容体サブタイプが、どのように寄与しているのかを明らかにすることを目的とし検討した。P2X受容体に対する非選択的アンタゴニストを用いた検討により、P2X3受容体の関与が推定された。そのため、P2X3受容体アンタゴニストを眼内へ投与し網膜電図を検討したところ、OP波の減少が認められた。また、網膜から脳への情報伝達を担う網膜神経節細胞の光刺激時の応答について、活動電位の発生頻度がP2X3受容体アンタゴニストにより変化した。以上の検討により、P2X3受容体がアマクリン細胞または網膜神経節細胞に発現しており、網膜内の視覚情報処理に関与していることが示唆された。
本研究を通じ、網膜内視覚情報処理にP2X3受容体が関与していることが明らかとなった。P2X3受容体の機能異常は、代償が起こらない限り視覚障害を導くものと推測される。そのため、P2X3受容体は、mGluR6受容体やTRPM1受容体と並び、先天性停止性夜盲症などといった先天性疾患に関わる新たな原因分子の一つとなる可能性が考えられる。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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